税務調査ってどんな感じでしょう
今まで税務調査で色々な調査官の方とお会いしてきましたが、
その中でのお話を少し。
まず、調査官は約束の時間ピッタリに来られます。
どんなに天気が悪くても、分かりにくい場所でも、
玄関先で時計を見ているんでしょうか。
ピッタリ!
に来られます。
まずは雑談を挟みつつ、会社概要の聞き取りですね。
取引形態から、取扱品種、締日などは、想定内の聞き取りです。
でもたまに、そんな話関係あるの?
などと思うような事を聞かれる時があります。
世間話だと思って、色々としゃべってはいけません。
税務署は事前に色々下調べをしているので、
調査官の持っている情報と、社長の答えに矛盾があれば、
そこは当然、つっこまれますね。
基本は、聞かれた事にだけに答えます。
社長室を見せてください、
という事もあります。
そこにパソコンがあれば、
『ちょっとパソコン開いてもらっていいですか』
といって、デスクトップをさりげなくチェックされます。
デスクトップに興味を持ったフォルダがあれば、
『それ、開いてもらっていいですか』
また、
会計データがあれば、
『得意先一覧、出してもらえますか』
など、さらっと色々言ってこられます。
税務調査は基本3期分を調査対象とされますが、
消費税がからむと、5年、7年と遡ることもあります。
ここで問題になってくるのが、
消費税の計算で、仕入税額控除を受けるためには、
領収書の原本を残しておかなければならない、
という大原則です。
もし領収書がないと、仕入税額控除を認めてもらう事ができません。
つまり、得意先から預かった消費税分をそのまま税務署へ納めなければなりません。
これを持ち出されると、本当に困りますね。
7年前の領収書、残してますか?
しかし、調査官はさらっとこう言うはずです。
『税法上は書類の保存期間は7年となっていますよね』
・・・ですね。
書類の保存は7年。
覚えていてください。
あとは、帳簿などの書類について。
調査官によっては、あらゆる書類をごそっと持って帰る方もおられますが、
必要に応じて、
『コピーもらえますか』
とコピーを持って帰る方もおられます。
その場合は、調査の最後の方でコピーした枚数を数えて、
その枚数×10円の現金をきちんと支払ってくれます。
また、場合によっては税務署のコピー機を持参で来る事もあれば、
デジカメに撮っていく事もあります。
あとは、オーナー社長の場合は、
会社の通帳だけでなく、
社長個人の通帳も見せてください、と言われる事があります。
会社の売上が社長の口座に入ってないか、
会社との不明瞭な資金のやり取りがないか、
などの確認がなされます。
また、社長のご家族の資産の状況も聞き取りされます。
金融資産から、お持ちの固定資産、預金口座など、
結構、詳細に聞き取りをされる場合があります。
いかがでしょうか。
税務調査ってどんなのかな、と思われていた方、
イメージできましたでしょうか。
何も怖がる必要はありません。
税務調査=脱税を見つけにきた
ではなく、調査の目的は健全な会社経理への指導だと思います。
調査官よっては、
これからどうやったら、もっと成長できるか、
どんな資料管理をすれば、会社にとって有益か、
など、親身に話をしてくれる方もいます。
税務調査をきっかけに、経理業務を見直したい、
というご希望で顧問をさせて頂いてる会社もあります。
税務調査に必要以上におびえることなく、
会社のために適正な経理をする事が社長のお仕事だと信じて、
そんな会社を私は応援したいと思っています。
もし、心配な事があればいつでもご相談ください。