セットバックが必要な宅地の評価
前回も土地の評価について、様々な補正がある事を説明しましたが、
今回は、セットバックが必要な土地の評価についてです。
先日ご依頼を頂いた相続税の案件で、現地調査に行ってきました。
ご相談時に前面道路は狭いです、と聞いてましたが、
現地を確認して、セットバックが必要な2項道路だと思いました。
事務所に帰ってから早速、市役所のホームページで道路マップを調べます。
やはり42条2項の道路でした。
いわゆる2項道路と呼ばれる道路とは、
幅員が4m未満の道路でも、
建築基準法が適用された時点で既に建築物が立っており、
特定行政庁が指定したものをいいます。
この場合は、次に建替等の時に道路の中心線から左右に2mずつ
後退しなければなりません。
したがって、評価しようとしている土地が後退部分にかかっていると、
将来において、その部分の利用価値が著しく小さくなってしまいます。
なので、相続税の課税価格を計算する場合も、
セットバックが必要な面積は一定の評価減をします。
セットバックが必要な面積を把握するためには、
市役所の土木課に行きます。
市によって違いますが、だいたい、建築課や道路課などに行きます。
窓口で、セットバックの面積調べたいのですが、、、
と相談すると、きちんと担当部署を紹介してくれます。
今回は、建築審査課でした。
そこで色々を調べていると、
「最近、近隣の開発の際に測量したものがありました」
と言ってもらえたので、ラッキーでした。
また、最近の市役所は端末で自分で色々と調べる事ができます。
そうすると、対象道路を含む「指定道路調書」というものがありました。
300円を払うと印刷もしてくれます。
この調書には前面道路の幅員がキチンと載っているので、
とっても助かりました。
次に、固定資産税課に行きます。
依頼者は共同住宅を相続されています。
ただし、共同住宅は被相続人が一部を自己の事業用に供していたので、
賃貸割合を求める必要があります。
現地調査の時に、ざっと部屋数を確認して75%くらいかなと思っていましたが、
固定資産税課で閲覧申請をすると、住宅用床面積は88%でした。
共同住宅は貸家の評価で、
共同住宅の敷地は貸家建付地として評価するので、
どちらも賃貸割合は大切になってきます。
75%と88%では大きな違いになってきます。
やっぱりきちんと調べて良かったです。
相続税の申告の際は、土地の評価がとても重要なウエイトを占めます。
相続でお困りの際は、是非ご相談ください。